こんにちは、「イエカラ薬局」の小池です!
女性特有の悩み、生理痛。日常生活に支障が出るほどひどい生理痛に悩まされている方は毎月時期が近づいてくるたびに憂鬱な思いをしていることと思います。
生理痛に悩まされる方があまりにも多いので「生理は大なり小なり痛いもの」なんてイメージもありますが、実はそうではありません!生理痛なんてないのが当たり前で多くの生理痛は薬を使えばコントロールできるんです。
でも、実は生理痛が起こる原因は人それぞれ違うもの。間違った薬を使っていては効果がないのも当然ですので、それぞれの原因別に生理痛対策に有効な薬を紹介していきます。
生理痛は原因を突き止めて薬で対策!
生理痛の原因は大きく分けて二種類。東京大学の調査によると、生理痛がひどい・辛いという人で婦人科訪れる方は「病気で起こる生理痛」と「病気じゃないけど生理が痛い」でだいたい半分半分と分析されています。さらに、この2つはさらに細かく分けることができるので早速詳細を見ていきましょう。
病気じゃない生理痛
これは、機能性月経困難症と呼ばれるものですが、この名前は別に覚える必要はありません。要は膣や子宮、卵巣は普通に機能しているんだけど生理痛がひどい・つらいというパターンです。
中学生・高校生くらいの思春期から大学生くらいまでの若い女性に多く見られるのが特徴で、10代・20代特有の生理痛とも言えるかもしれませんね。
原因と改善のための対策
大体の場合は、プロスタグランジンと呼ばれる物質が過剰に分泌されているのが原因です。プロスタグランジンは子宮の収縮を促す機能があって、出産のときには欠かせない物質なのですが、若いときに起こる生理ではこれがときに悪さをすることがあるんです。
実は、この場合では低用量ピルと呼ばれる薬を服用することで生理痛を劇的に緩和することができます。思春期の間は女性ホルモンが壊れたダムのようにドバドバ分泌されていて、それにともなってプロスタグランジンも大量発生しています。
しかし、ピルには女性ホルモンのはたらきをコントロールする機能があるので、ホルモンの流れが正常な状態に整う結果、プロスタグランジンも減少して生理痛が軽くなるという仕組みです。
低用量ピル(OC)服用による女性ホルモンの変化
出典:OC(低容量ピル)を服用するみなさんへ | 名古屋栄にある婦人科 ともこレディースクリニック ピル処方 中絶相談 | 患者様に寄り添った医療
また、中学生・高校生の未熟な小さい子宮では経血がたまりやすくこれが逆流することで痛みが起きたり、細い子宮頸管から経血を押し出そうとして子宮が激しく収縮することでもやはり痛みが起こったりします。
しかし、ピルには経血の大元(子宮内膜)を減らす効果があるので、出血も大幅に少なくなります。というか、出血量がゼロになることも珍しくありません。出血前後の痛みも少なくなるんです。
つまりは、病気じゃない場合の生理痛はほぼほぼピルで解決できる、というわけですね。
お医者さんに行っても処方されるのはピルです
ピルというと風俗など夜の仕事をしている人が飲む避妊薬というイメージが強いかもしれませんが、実は女性の体調を整えるにはとても有効な薬なんですよ。お医者さんでもニキビ治療だったり月経前症候群だったり結構いろいろな治療目的で処方されるものです(ホルモン療法と言います)。
お医者さんによっては「ピルは良いことずくめ」なんて言う人もいるくらいで、「その言い方もどうなんだろうか…。」とは思いますが、とにかく若い人に起こる生理痛に対して高い効果が見込めるのは間違いありません。
10代の中学生や高校生の方だと婦人科に抵抗が強い方が大半だと思いますが、幸いピルはネット通販(個人輸入代行)でも買えるので「婦人科に行くのはどうしても無理!でも生理痛はもっと無理!」という方は通販を使ってみるのもアリかもしれませんね。
【フェミロン0.02mg/0.15mg (femilon)】
フェミロン 0.17mg(femilon) は、オルガノン社が開発した低用量ピル(避妊薬)です。このフェミロンは日本の産婦人科で処方率が高いマーベロンのジェネリック医薬品で、同じ成分・効果ながら先発薬のマーベロンよりも安く購入できます。数ある低用量ピルの中でも最もホルモン量が少なく配合されているため、小柄な日本人の用量に合っており、副作用も最小限に抑えられます。
【オブラルL 0.15mg/0.03mg (ovrall)】
オブラル-L 0.18mg(Ovral-L) は、避妊や生理痛に悩まれる方を対象として製造された低用量ピル(避妊薬)です。レボノルゲストレル0.15mgとエチニルエストラジオール0.03mgの2つの有効成分が働くことで、排卵を抑制して妊娠しにくい状態になります。アメリカのファイザー社が開発した避妊薬ですが、有効成分は日本で一般的な低用量ピルであるトリキュラーやアンジュと同じ主成分です。
さらに併用できる薬もある
それでも心配な方は、ロキソニンやイブといった市販の痛み止めの薬をピルと併用することもできます。
ちなみに、意外なところだと鎮痙剤と呼ばれる市販薬もピルや鎮痛剤と併用できる上に生理痛に有効です。子宮が未熟なうちは狭い子宮頸部から無理やり経血を流すために強く収縮する…というのは説明したとおりですが、この鎮痙剤はこの収縮を抑えてくれる効果があります。
特に10代の中学生・高校生の方の生理の痛みを緩和するのに有効なお薬ですね。
病気で起きる生理痛
これは、器質性月経困難症と呼ばれるもので、何らかの病気によって生理痛が起こっているパターンです。東京大学の調査によると、生理痛の悩みでお医者さんに来る人の半分近くは病気だったとの結果が出ていて、割合としてはかなり大きいものなのです。
大半の病名は経血が子宮以外の場所に発生する子宮内膜症か子宮の筋肉から発生する良性腫瘍の子宮筋腫です。これらの病気は自然治癒する場合もありますが、放っておいて悪化するケースも多々あります。
・子宮内膜症(約55%)
経血(子宮内膜)が子宮以外の場所に発生することで痛みを伴うもの
・子宮筋腫(約40%)
子宮の筋肉から発生する腫瘍(良性)
・子宮腺筋症(約5%)
子宮内膜症の、特に子宮の筋肉の中に子宮内膜ができてしまうもの
・その他の原因が少々
低用量ピルやロキソニン、ブスコパン、イブも一通り試したけど全く改善しなかった…なんて方は上記の病気が原因となって生理痛が引き起こされている可能性もあるので、一度お医者さんを訪ねてみるのが良いかもしれません。
薬を飲まないで生理の痛みを緩和する
“病気じゃない生理痛”の人でも、15人に1人くらいは薬がまったく効かないという人がいます。また、中には「ずっと薬を飲み続けるのは嫌だ」「薬とかには頼らずなんとかしたい」という方も多いと思うので、最後に薬を使わないでも生理を軽くできる日常生活のワンポイントアドバイスを紹介していきます。
食生活の改善
バランスの取れた食生活も重要なのですが、特に青魚に多く含まれるDHAやEPAにはプロスタグランジンを抑制する効果があります。薬を使わずに生理痛を直接抑制できる数少ない方法なので、積極的に摂取すると良いですよ。「青魚はちょっと苦手…。」という方は、市販のサプリメントなどで補うのもアリですよ。
運動(骨盤矯正)
骨盤の中には子宮や卵巣など女性器がすべて収まっていますので、骨盤がゆがむと器官や神経が圧迫されたり血液循環が滞ったりして生理痛を招いてしまいます。ストレッチやヨガなどを取り入れたり、骨盤矯正グッズを利用したりして骨盤のゆがみを矯正することで毎月の月経痛を和げることができます。
痛みを和らげる姿勢
「ぐっ、ヤバい…!」と思ったときは、即効で効果のある方法として姿勢を変えるのも有効です。まずは無理せず横になり、ベルトを外したりストッキングを脱いだりとにかく腰回りの圧迫を緩めてうっ血を改善しましょう。横になるときはひざを曲げて寝たり、うつ伏せになったりといった姿勢を取るとやはり骨盤の圧迫が改善して楽になります。
とにかく温める
入浴やカイロ、温かい飲み物などで下半身を温めるのも血流改善にとても有効です。夏場クーラーの効いたオフィスなどではブランケットなどを積極的に使って骨盤周りを冷やさないよう気をつけましょう。
(Text:小池 侑未)