こんにちは、「イエカラ薬局」の小池です!
「髪は女の命」なんて古くから言われているように、女性にとって髪の毛というものはとても大事なものですよね。
しかし、最近は女性のライフスタイルが変化したことで昔では考えられなかったような20代・30代の若い女性が薄毛や抜け毛といった症状に悩まされるケースが増えてきています。
今回は、そんな10代~30代の若い女性に起こる髪の毛のトラブルを解消するために、脱毛が起こる原因から改善のための治療薬までをわかりやすく解説していきます。
若い女性に最も多いのは”びまん性脱毛症”
女性の髪の毛が抜けてしまう理由は大きく分けて6種類ありますが、その中でも最も多いとされているのは「びまん性脱毛症」と呼ばれる症状です。
特定の部分でゴッソリと抜け毛が起きる円形脱毛症は有名ですが、「びまん性脱毛症」の場合は、頭頂部から少しずつ薄毛の部分が広がって全体的に薄くなっていくのが症状の特徴。
頭頂部からの薄毛に当てはまる、なんて方は結構いらっしゃるのでは…?
◆びまん性脱毛症
原因は様々ですが、特定できれば改善は比較的簡単。
髪の密度が減って、スカスカになった髪の間から地肌が見えてしまうのが特徴です。
この症状は、なぜか男性よりも圧倒的に女性に多いです。
◆女性男性型脱毛症(FAGA・AGA)
AGAの女性版で、FAGAとも呼ばれます。原因は女性ホルモンの乱れや減少。
女性が男性ホルモンの影響を受け薄毛になること。
男性は頭頂部や生え際から薄くなりますが、女性は全体が均一に薄くなって行く特長が有ります。
◆分娩後脱毛症
特に産後に起こる抜け毛や薄毛です。これも女性ホルモンが原因。
普段髪の手入れをしている時に、いつもより多めに髪が抜けることで気づくことが多いようです。
分娩後脱毛は、出産後2~3カ月で現れ始めます。
◆円形脱毛症
ストレスや病気によって引き起こされる脱毛症です。
一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです。
円形脱毛症の主な原因は自己免疫疾患。
◆牽引性脱毛症
物理的な刺激が原因の抜け毛や薄毛で、日々のヘアケアに問題あり。
ポニーテールやお団子ヘアなど、髪をまとめる髪型を長く続けることによって引き起こされる脱毛症。
頭皮が引っ張られて血液の流れが悪くなる可能性も。
◆頭皮トラブル
アレルギーや肌質など体質によるところが大きい脱毛症です。
フケが出る、頭皮がかゆい、赤みがある、臭いが気になる、抜け毛が多くなったなどの症状がが出てきたら要注意。
薄毛になる準備が始まっている可能性があります。
のびまん性脱毛症は、様々な原因によって起こるものですが原因さえ特定できれば症状事態は改善されやすいものです。
まずは下記からしっかりと見極めて改善のための対策を行っていきましょう。
生活習慣の改善
栄養バランスの取れた食事や質の高い睡眠、適度な運動といった規則正しい生活は、薄毛や抜け毛の原因となりがちな女性ホルモンの分泌を促したり、分泌量を整えたりしてくれる効果があります。
その他にもアンチエイジング効果があったり肌質が改善したりと基本的には良いことづくめなので、積極的に行っていきましょう。
ついついこんな感じになってませんか…?
ストレスをためこまない
「処刑を宣告されたマリー・アントワネットは一夜にして髪の毛が白髪に」なんて話がありますが、とにかくストレスが髪の毛に与える影響は非常に大きいものです。
女性ホルモンのバランスが崩れたり、自律神経のバランスが乱れたりと女性の心や身体に様々な悪影響をおよぼすので、見に覚えのある方は真っ先に改善する必要があります。
ストレスが髪に与える影響は想像以上!
ヘアケアの見直し
もしかしたら、普段何気なく行っているヘアケアが実は薄毛や抜け毛の原因となっているかもしれません。
1日1回以上のシャンプーで頭皮を保護する皮脂を根こそぎ洗い流してしまっていたり、そもそも人によってはシャンプーをやめたら髪の毛が断然増えたという人も結構いたりするんですよ。
また、パーマやカラーリングをしてる方、ドライヤーの時間が長めな方なども一旦これらを見直してみた方が良いでしょう。
ベビーパウダーのドライシャンプーや”お湯のみシャン”で改善する場合も
出典:ベビーパウダー: Sunny Day
いつも同じ髪型にしている
江戸時代の女性は長く伸ばした髪の毛を結い上げているのが普通でした。
常に髪の毛を引っ張っている状態=負担がかかっている状態だったので、実は現代女性以上に髪の毛の薄毛や抜け毛に悩まされていたのです。
いつも同じ場所で結んでいたり同じ場所で分けていたりする人はかなり要注意で、その部分から少しずつ髪の毛が薄くなっていってしまいます。
加齢によるもの
閉経の前後5年、いわゆる更年期と呼ばれる時期になると女性の体から女性ホルモンが急激に分泌されなくなります。
すると、男性ホルモンが優位の”おっさん化”によって脱毛が起こりやすくなります。
最近は若年性更年期障害を引き起こす若い人も増えているので、”おっさん化”を防ぐために規則正しい生活をしっかり心がけましょう。
びまん性脱毛症かも?と思ったら早めの対策が大事!
また、女性の抜け毛や薄毛を改善するための育毛剤や薬といったものも世の中には数多く存在しています。
上記の対策と合わせて使うことで、さらに高い効果をあげることができますよ。
ピルで女性ホルモンを整える
ピルというと避妊薬というイメージが強い薬ですが、実は女性ホルモンを整えてくれる効果が一般に良く知られています。
特に、ピルの服用でホルモンバランスの乱れから来る薄毛や抜け毛を改善する効果が期待できますね。
また、今まさにピルを飲んでいるという方は逆にピルを辞めてみる、というのも有効です。
トリキュラー(triquilar)は、数あるピルの中で唯一男性ホルモン作用がないため、避妊のみならず、男性型の多毛症・抜け毛・ニキビを抑制する作用があります。
さらに月経痛(生理痛)・貧血・月経不順・月経前症候群の改善、バストアップ、アンチエイジング、更年期障害の軽減といった効果も期待できます。
ジネット35(Ginette-35) は、低用量ピル(避妊薬)で、避妊のみならず男性型の多毛症・抜け毛・ニキビを抑制する作用があります。
さらに月経痛(生理痛)・貧血・月経不順・月経前症候群の改善、バストアップ、アンチエイジング、更年期障害の軽減といった効果も期待できます。
ミノキシジルで発毛を促す
ミノキシジルとは、CMでおなじみのリアップに含まれている有効成分なのですが、実はこれは厚生労働省にも効果が認められている発毛成分です。
AGAの薬と違って、ツゲインは男女問わず効果が見込めるので女性が服用しても髪の毛を増やすことができるんですよ。
ツゲインはリアップやロゲインのジェネリック医薬品で、有効成分はミノキシジル5%が含まれていますが価格はかなり安いジェネリック薬です。
ツゲインはフィナステリド(プロペシア)と異なり、女性にも安全性と有効性が確認されていますが、女性の繊細な頭皮には刺激が強すぎることがあるので薄めてお使いいただくか2%のものをお求めください。
まつげ育毛剤で発毛を促す
ルミガンと呼ばれる有名なまつ毛の育毛剤がありますが、実は最近イギリスのブラッドフォード大学の研究により、ルミガンの有効成分のビマトプロストが頭皮にも育毛効果をもたらし、発毛促進が期待できるとの研究結果を明らかにしました。
まだ臨床試験の段階ではありますが、もしミノキシジルで効果が見られなかったという人は試してみるのもありかもしれません。
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ルミガンの有効成分ビマトプロストはもともと、緑内障治療や眼圧を下げるために使われてきましたが副作用で睫毛がのびたという報告が多くあったため、まつげ育毛剤として有名になりました。
現在では、まつ毛美容液(まつげ美容液)として使われることが多くなっています。
それでも薄毛・抜け毛が治らない場合は…
生活を見直したり薬を使ってみたりして、「ほうぼう手は尽くしたけれども、全然薄毛や抜け毛が改善しない…。」という場合は、一般的ではない他の原因が脱毛を引き起こしている可能性が考えられます。
そういったケースでは、まず頭髪外来に頼ってみるのが一番。
しかし、気をつけなければならないのは皮膚科や婦人科など「頭髪外来もやっているクリニック」ではなく「頭髪外来をやっているクリニック」を選ぶ必要があるということです。
皮膚科や婦人科では、そもそも頭髪の専門家というわけではないので結局上に挙げたような薬を処方されて終わり…なんてことも十分に考えられます。
世の中には「女性のための」「髪の毛専門の」「医師がいる病院」がちゃんと存在しています。
基本的に治療は保険適応外で若干割高になりますが、レーザー育毛やプラセンタ注射など、専門の医師がクリニックならではの治療メニューであなたの髪の毛の悩みを解消に導いてくれますよ。
(Text:小池 侑未)